氷地獄にて(2)
氷地獄の道端に咲く
人型の漬けもの石
狂い笑う形相のまま
二度と動かない
通りかかった
貧乏そうな身なりの背の低い中年男が
漬けもの石につばを吐きかける
漬けもの石にくっついた中年男のつばは
そのまま凍って
漬けもの石と永遠の契りを交わす
中年男はすかしっ屁を吹かして去っていった
漬けもの石の人生に幸多からん事を!