石板14
阿呆なことで有名な犬太くん(16歳・美少年)が
5日ぶりに占いの館から帰ってきた時
彼は遂に人間ではなくただの老犬に成り下がっていました
四本足で歩き
極上のドッグフードを食べ
電柱ににおいを付けて今日も幸せな一日が終わります
服は邪魔なので着ません
犬太くんの両親が
毎日近所の目をかいくぐって
彼をお散歩に連れて行きます
月の光に照らされて
犬太くんは思わず歓喜の遠吠えを漏らします
ところがある日
両親は夜逃げしてしまい
犬太くんは野良犬になってしまいました
エサをくれる人がいなくなったので
犬太くんは街に出て路地に隠れ
夜になると残飯をあさるという日々を過ごしていたのですが
さすがに目立ってしまったのか警察に捕まり保健所に送られて
処分寸前で
「犬にも基本的人権を認めるべきなのです!!」と参議院選挙の政見放送で主張する
動物愛護団体のおばさまに引き取られて
以後バター犬として幸せな一生を過ごしましたとさ
菅井 清風(k-sugai@hoffman.cc.sophia.ac.jp)