石板19



斜め45度の坂を滑り降りて
キミが降りた深さより更に遠い闇の中へ

インラインスケートは軽い音を立てて
ボクを死の国へと連れて行く
何も見えない黒い坂道
黒く湿った霧の風

坂道にしがみついて
泣きながらずり落ちていく少女を
ボクが音の速さで抜き去っていく

「この坂は本当に死の国へ続いているの?」
『……………』
「本当はずっと永遠にこの坂を滑り降りるだけなんじゃないの?」
『……………』

でももう止まることはできない
黒い霧が心地よく肺に入っていくのを感じながら
ひたすら滑り降りるほかにできることはない

また一人
転んで骨を折った少年を抜き去っていく

「ボクは優秀なの?」
『……………』
「ボクの骨も折れるの?」
『……………』

雪も雨も降らない坂だけど
闇の中だからいくら見渡しても地平線など見えはしない

ああそうか、と滑走するボクは突然気付いた
「これが、死なんだね……?」
『……………』
「ここが、死の国なんだ……」
『……………』

その時突然ボクは何か黒いものにつまづいて…


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菅井 清風(k-sugai@hoffman.cc.sophia.ac.jp)