石板13



5日後の死を目前にして一時的に体調がよくなった少年に
「来月には退院できるよ」と声をかける

もう6年も足のリハビリを続けている少年に
「きっと歩けるようになるよ」と声をかける

謎の注射によって悪臭を放つ異形の怪物となった少年に
「大丈夫、君は人間だよ」と声をかける


そんな生活に疲れたら
ゴミの山から人形を拾ってきて
特設処刑場で火あぶりにして遊ぶ

天に昇る
煙がどす黒いのは
誰のため?


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菅井 清風(k-sugai@hoffman.cc.sophia.ac.jp)