かってにセガサターン the Best!


ヴァンパイアハンター
メーカー:カプコン
ジャンル:格闘アクション
実売価格:1000円くらい(ゼット・1997/1/25)秋葉原のソフマップでは800円くらいで買えるときもある

 私にサターン購入を決意させた作品である。今なら千円札1枚出せば買えるので知らない人は「クソゲーか?」と思うかもしれないかもしれないがとんでもない。まだ買ってないサターンユーザーは絶対に買いに走ること。格闘ものはちょっと……というあなたもだまされたつもりで買って欲しい。1000円だし。

 なぜこのゲームが面白いのか?それはレバーとボタンをガチャガチャ適当に叩くだけでは絶対に勝てないからだ(バーチャとかで適当にボタンたたいてるだけなのに勝っちゃう、って人たまにいるでしょ?)。キャラの使い方を熟知し、テクニックを身につければちゃんと強さに反映されるからなのである。その分自分のうまさが実感できるわけだ。オートガード、オートチェーンコンボなどのような初心者救済策もあるにはあるが、それを使っていてもやはり考え無しに暴れまわってもダメだ。その辺のポリゴン格ゲーと違ってテレビのバラエティでド素人の芸能人に触らせるのには絶対に向かない代物である(笑)。

 さらに、各キャラクターの特性もはっきりしていて、キャラによって長所と短所がはっきりしている。ほとんどのキャラは、動きが遅いとかリーチが短いとか、どれももどかしいくらいの短所と、それをフォローする手段を持っていて(無い場合もあるか^^;)、如何に短所を包み隠して長所を生かし、スマートかつ強力な攻めで魅せるかが、そのキャラを使いこなす上で必要不可欠になるのだ。
 例えばレイレイなら、卑怯なまでに遅い前進速度を低空ダッシュや空中旋風舞キャンセルでフォローするとか。無敵対空技がなくたって中暗器で牽制してジャンプ強Pで空中戦を制すればOK。そんな感じだ。
 いや、ドノヴァンとかレイレイとかは、使いこなすと本当にかっこいいんです。つーかビシャモンとかで勝ってもあまりかっこよくない^^;

 ヴァンパイアハンターといえばチェーンコンボだ。通常技のヒット中に次々と通常技を繋げて連続技にしていけるのだ。これが最高に気持ちいい。コンボに自由度があるあたりも血が騒ぐ。
 チェーンコンボの繋がり方は

という風になっている。
 じゃあ弱P→弱K→中P→中K→強P→強Kが全部繋がるかというと攻撃がヒットする(ガードされる)度に間合いが離れてしまうためそうでもない。というわけでどこかを削らなければならないのだが、キャラによってリーチが違う上にしゃがみパンチは立ちガードを無効化できない場合が多いので、どういうコンボを組み立てるかというのも頭を使うところだ。もっともこれは結構定番のコンボが固まってしまっているので、キャラのモーションが全部考え直されるという次回作にも期待したい。
 チェーンが攻撃の主体なので、スト2にありがちな通常技キャンセル→必殺技みたいな攻撃はすっかり影を潜めてしまった。また、強攻撃が単発で出ることも少なくなり、これらはストリートファイターシリーズ復活の大きな原因になったといえる(笑)

 もう一つの大きな特徴がスペシャルストックだろう。ゲージがいっぱいになっても一定時間でスペシャル技が使えなくなってしまった前作と違い、ストックしておいて試合が終わるまでいつでも使えるようになったのである。通常の必殺技をパワーアップさせるES必殺技、ゲージを使わないと出せない強力なEX必殺技を使うことができる。また、追い討ちや投げもES化させられる。ここぞという所で一気にストックを使って逆転もありだ。
 例えばES追い討ち。ダメージ量ではEX必殺技に及ぶべくもない。だが、追い討ち可能な状態なら、絶対確実に通常より多いダメージを与えることができる。後半の闘いでは1ドットの差で相手を生かしておくことが命取りにもなり得るので、スペシャルストックの幅広い使い方ができるのは、攻撃の読みあいとは別のラインでも頭を使わせてくれて非常に嬉しいシチュエーションだ。
 スペシャルストックを如何に効率よく使うかも勝利への重要なチェックポイントだ。そのセットを落としそうな感じがするならゲージは使わない方がいいし、どうしても落としたくない場合は惜しみなく使ってしまって一向に構わないと思う。まあ要は散々ストック使って負けたらストックの無駄だということなんだけど。

 更にハンターの魅力といえば、滑らかで美しいアニメーション。必見である。スーパースト2辺りを軽く軽く軽く超えるパターン数を使ってポリゴン格闘にも劣らない滑らか〜な動きをしてくれるのだ。ありがたやありがたや。サターン版でもほとんど遜色ない動きをしてくれる(でも細かいとこはちょっと省かれてたりして……)。2D格闘でのサターンの定評はこの辺から始まっているのだ。マジな話、SSで2D格闘やったらPSではもうできませんって。

 あとは空中戦のバリエーションも特筆しておくべきだろう。空中投げ、空中ダッシュ(一部のキャラのみ)、空中ガード、空中で複数回技が出せるなど。ダッシュの存在でダイナミックな高機動戦闘もでき、全体的に攻めも守りもバリエーションが非常に多彩になっているのだ。
 ちなみに、飛び道具がなく比較的近距離の戦いが多いVFや鉄拳などに対して、ちゃんと遠距離戦が存在しつつ近距離戦も面白いっていうのがカプコン格闘なわけで。これが更に遠距離色が強くなるとバーチャロンやサイキックフォースって感じ。

 読み込み時間はキャラ1人あたり7〜10秒くらい。対戦ではshortcutを使いたいところだが、なんかやたらデザインがかっこ悪いのがちょっとね。

 とにかく損しません。なんでこんなに安いのか不思議なくらい。超名作です。ほんとに次回作が楽しみ。
カプコンLOVE☆


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文責:菅井 清風(k-sugai@hoffman.cc.sophia.ac.jp) ご意見をお待ちしております