パラッパラッパー
に関する考察
なんか知らないがパラッパラッパーがゲーム初心者や女性を中心に大人気らしい。どうしてこのゲームにこれほどまでに人が群がるのか不思議と思えるほどに。深夜のテレビ番組でパラッパを使って「〜のリズム感チェック」とかやっていたくらいだから、一般人層の認知度は相当なものなのかもしれない。
そして、ゲーム雑誌なんかでもやたらこのゲームを賞賛している。ゲームの初心者のすそ野を広げたとか、音楽とゲームの融合だとか。おいおいおまえらSCEに何もらったんだというくらい、誉めてない雑誌を見たことがない。
#というか、PSびいきの雑誌(ゲーム以外の雑誌は特に露骨)がどれだけ世の中にあふれていることか……
なぜこんなゲームが(←失礼な;)これほどまでに世間を騒がせているのか。というのを自分なりに考えてみた。
- 広告量の差
SCEの、他社を圧倒する広告量は今更言うまでもない。ゴールデンタイムはおろかSCEのCMをTVで見ない時間帯はないとまで言える。一般人ほどテレビCMや雑誌広告だけで物を買うからねえ。
- キャラがかわいいから
はっきり言ってしまうと素人相手にゲームシステムが云々というのは馬の耳に念仏というヤツだ。パラッパかわいさにソフトを買ったという話はいくらでも聞こえてくる。キャラがかわいければ初心者でもゲームの世界に入っていくし(これはキャラクターの魅力で格闘ゲームやRPGをプレイするようになる人と同じ)、逆に言うとゲームシステムが優れていてもキャラがかわいくなければこのゲームがゲーム初心者(特に女性)に受けることは絶対に有り得ないといっても過言ではないだろう。
セサミみたいな教育テレビの英語人形劇っぽいタイプで、いかにも子どもや女性に受けそうな感じだし。
- プレイヤーに与えられる命令が非常に細かく具体的である
例えばレースゲームの場合、目標は「1秒でも早くゴールすること」である。格闘ゲームの場合は「相手に勝つこと」、シューティングゲームなら「先の面に進むこと」、テトリスやコラムスの様なパズルゲームなら「とにかく得点や消したライン(ジュエル)を際限なく上げていくこと」である。これらは、目標達成までの具体的な手段が示されたりすることはないため、与えられた目標に対して自分で自分への細かい命令を考えていかなければならない。それが多くのゲームでは楽しみの核になっているのだが、一方これはゲーム初心者にとっては海図も羅針盤も無しに太平洋を渡れと言っているようなもので、不親切といえば不親切なのである。
これらのゲームに対して、パラッパなら(マスターコースを除いて)「GOOD以上の評価でクリアする」という目標を達成するまでの手段すらご丁寧に具体的に命令してくれる。これは初心者には嬉しい配慮だろう。命令されたことをただ素直に言われるままに実行していれば幸せがそこに待っているのだから。実際命令通りに正確にボタンを押していればBADやAWFULになることはない。何も考えず服従するのが好きな人にはもってこいのシステムだろう。
- 音楽をゲームの核として使用している
ゲームの素人は世の中に腐るほどいても音楽の素人はそうはいない。ちょっと大きな店に行けばヒット曲が流れているし、テレビを見ればCMソングや番組主題歌のオンパレードである。音楽を聞いたことのない人はゲームをやったことのない人に比べて非常に少ないのである。しかもここ数年ダンスミュージックやラップが大流行であることは言うまでもない。
そういう「趣味:音楽観賞」な人々をラップによっていとも簡単にパラッパはゲームの世界に引き込んでしまったのである。実際実にノリノリになれるゲームであり、その点に関していえば実力は本物といってよい。
で、問題はこのゲームをマスターコースでやり込もうと思った時なのである。このゲームって攻略本とかは出ているのだろうか。あったらぜひ見てみたい。いろいろゲーマーのページを見ているが、パラッパをマニアックに攻略したページをまだ見たことがないぞ私は。私自身もやり込む気が全く起きない。マスター6面をやっと一度クリアしてそれっきりだ。私の場合の理由を以下に述べてみよう。
というわけで、やり込む価値に大きく疑問符が灯るゲームなのだ。カッコよさ、美しさ、上手さ等を公正に、客観的かつ見た目の上でも評価できるシステムのある熱いゲームなんてほかにいくらでもあるわけで、ゲーマーがパラッパよりそっちの方に流れてしまうのも無理ないかという感じだ。
カッコよさとかを考えないで、何も考えずに暇をつぶすんならそこそこ適したゲームだといえるけど、ゲーマーにとってゲームが「暇つぶし」程度の優先順位であるはずがないし。一般人なら「暇つぶし」程度の存在なんだろうけどさ。
というわけでその辺が実に惜しいので次回作で改良して頂けると非常にありがたかったりするのである。
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しゅがい(k-sugai@hoffman.cc.sophia.ac.jp)